春の訪れはデリケートな空色と水仙の香りから・・・今日のパリ、セーヌ川ポン・ヌフからのノートルダム寺院です。
まだまだ寒い日が続いていますが、日差しは明るくなってきました!
パリのバレンタインには郵便局では恒例のハート切手の発売され、今年はエマニュエル・ウンガロでデザインは「ラブバード」です。
ハート切手はシャネル、キャシャレル、ラクロワ等がデザインしており、毎年数百枚単位で買う人がいるそうです。
フランスでは男性が女性にバラの花束をプレゼントします。・・・日本とは反対ですね。
パティスリーもハートとバラのウィンドウです。
14日は1輪のバラや花束を抱えて道行く男性にたくさん出会いました・・・お菓子もプレゼントしシャンパンと頂くのも流行中とのこと。
こちらのウィンドウは・・・ヴィーヴル・ド・マリアージュ!・・・2月はずっとこんなハートのデコレーションが続きます。
マジパンで作った18世紀風カップルがハートを持っています。
フランスの古い伝承によると、2月はツグミが巣を作り始め全てが始まる春、ヴァレンタイン聖人もしかり古来からアムール始まる季節なのでしょうね♡
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最近のエクスポジションです。
パリ16区のファッション美術館の「ガリエラ美術館」にて【 第二帝政時代のクリノリン 1852-1870】が開催されています。
1852年-1870年のナポレオンIII世時代、ユージェニー皇后の社交界と、ドゥミ・モンドと呼ばれた皇帝や貴族のメトレス達の裏社交界の対比や、それぞれの社会に君臨した女性達のドレスやジュエリー、オブジェなど数百を超える充実した展示でみせています。
下の絵の中央、ユージェニー皇后はマリーアントワネット王妃の大ファンであり、18世紀ブルボン王朝の様式を好みました。
ですからこの時代のジュエリーには「18世紀ブルボン王朝様式」がとても多いのです。
また、すみれ色が大変好きで別名「エンペラトリス・ヴィオレ」と呼ばれ、当時のモードの最先端を切ったのはいつもユージェニー皇后でしたから・・・
「シフォンの妖精」「クリノリン伯爵夫人」「フリル飾り1世」
・・・などと呼ばれていました。
上のクリノリンで膨らませた菫色ドレスは、ある貴族子女がローヴ・ド・マリアージュ(結婚式のドレス)の為にユージェニー皇后のドレスをまね作らせたそうです。
この時代はパリ万博が開かれ、ブシュロンパリを始め、ファリーズ、メゾン・メレー、フォントネイ、ルゥヴィネなど宝飾作家のジュエリーの時代です。
こちらはユージェニー皇后のレースのドレストップ・・・
英国のバラ、ヴィクトリア女王との謁見にもすみれ色のドレスを選び、女王もその色のデリケートな美しさに感激し、同じドレスを注文したそうです。
左がユージェニー皇后、右がヴィクトリア女王・・・
第二革命後、ナポレオンIII世皇帝夫妻は英国へ亡命しますが女王の手厚いもてなしを受けています。
この絵は銅版画に手で彩色されたもので、貴族や大ブルジョワ夫人達のファッション誌です。
⒞ Marie-Louise de Rosiere
下右側は、ナポレオンIII世の有名なメトレス、「カステリオーネ伯爵夫人」が実際に着ていたドレスと伯爵夫人です。
「カステリオーネ伯爵夫人」はイタリア人、幼い頃から卓越した美しさをもち17歳で伯爵と結婚し、後にパリへ・・・ナポレオンIII世のメトレスとなるばかりかパリ社交界の花形となり、ドゥミ・モンドという裏社交界の女性達さながら出会う男性全てを魅了した女性でした。
左上のマザーオブパールへ恋人達を彫刻したオブジェは、「マリアージュのコインケース」と呼ばれ、1870年の貴婦人のコインケースです。
ボタンは1850−60年頃、ストラッスガラスでフレームを飾り、ミニアチュールは18世紀王朝のマリーアントワネット好みの田園風景です。
マリールイーズのページより、同様のマザーオブパール彫刻でクリスタルと銀のフレームのマリアージュのペンダント
⇨Entrez !
アンティークジュエリーを好きな方なら当時の工芸の美しさを堪能できる展覧会です。
モード関係者も多く見に来ていましたので、次期のファッションはこの展示会にインスピレーションを受けたスタイルが出てきそうですね・・・
偶然にもディオールジュエリーデザイナーのヴィクトワール・キャステランヌと会場で会い、彼女の可愛いお嬢さんと一緒にシャンゼリゼ通りのサロン・ド・テ、「ラデュレ」でしばしお喋りをしました。
シャンゼリゼの老舗のパティスリー&サロン・ド・テのラデュレはこの展覧会と同じ時代、第二帝政時代の装飾様式を元に作られていますから見終わった後にはぴったりの場所でした。
ここのラデュレのインテリアデコレーターはフランスでも著名なジャック・ガルシアです。
数々のドレスは夢のように美しい生地、レースや刺繍で飾られ、帽子や刺繍の靴、扇、公爵夫人やメレリオディメレのジュエリーなど今でも身に着けたいくらいの素敵さでした。
この時期、パリ観光にいらっしゃる方はぜひご覧になってみてください。
【ガリエラ美術館】 -SOUS L'EMPIRE DES CRINOLINES, 1852-1870-
-2009/4/25まで開催
10, avenue Pierre-Ier-de-Serbie 75116, Paris
10h00-18h00 月曜定休日
⒞ Paris musees,les musees de la Ville de Paris
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今週からパリの子供達は初春のバカンス、このバカンスが終わる頃には花が咲き始め、暗い空の冬から待ちに待った春がやってきます。
マリールイーズからのパリ便り Vol.1 2009.2.14
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