《 ブロードリー・ブランシェ 》 〜 ホワイト刺繍に魅せられて 〜
前回の
「アンティークレース物語3」でお話しした「ニードルポイントレース」の元になったのが、フランス語で「 ブロードリー・ブランシェ 」と言われる白糸刺繍です。
16世紀、アラビアの国からヴェネチアやオランダに海洋貿易で入ってくるカラフルな絹糸やダマスク織は、ヨーロッパ人を魅了しました。
人々のドレスは色彩豊かになり、聖職者や貴族たちは刺繍でおおわれた絵のような衣装で飾り立て、聖書を美術的な刺繍で飾ったブックカバーでおおって持ち歩くことが流行します。
そんな中、聖職者達のあまりの贅沢さに、けしからん!と言うわけでイタリアで「 贅沢禁止令 」なるものが度々出されるようになります。
でも、一度ラグジュアリー・ファッションを身に着けた人々が元に戻れるわけがありません。
しかし禁止令を守らないと罰金がかせられます。
カラフルはダメ、でも美しいものは大好きというわけで、色を使わず白なら良いのだろうと・・・
白糸で白リネン地に刺繍、生地を切り取り糸を渡したオープンワークを駆使し、白の中に陰影をつけた新しい美しさを追求し始めました。
これがレースの始まり。
この「 贅を尽くした白さ 」がイタリア・ルネサンスと共に生まれたのです。
一見地味な白と黒、でもその中には刺繍技法の全てが注ぎ込まれました。
雪の結晶のような、儚い妖精のような、気高い美しさの白。
これが「 本当の贅沢 」だわ! と瞬く間に宮廷の最新のファッションとして広まります。
16世紀以降、王様も輸入のしずぎで国の財産をも傾けたといわれたレース、色彩の美を超えたモノトーンの魅力の世紀が始まります。
いつも時代でも、なによりもシックと言われるのは「 モノトーンの美 」なのでしょうか。
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