前回のお話
「アンティークレース物語 8」より・・・
〜 男性のレース 〜
16〜18世紀のヨーロッパ、流行の先端を切っていたファッション大国のフランスでは男性が女性の何倍もお洒落に着飾っていました。
男性がレース?
当時、オリエンタルの国々から運ばれる美しい織物でつくられた上着の襟やズボンの裾には、絹糸で刺繍が施され、レースがふんだんに着けられました。
その上、鋼鉄の甲冑の上へも大きなレース襟を飾り、こんな堂々とすました表情で。
当時は貴族階級が上がるほど華美な服装で、王様はその最たるもの。
外面を着飾ることは、自らの権力を表す最も大切な手段だったのです。
その最高峰は18世紀のフランス王、ルイ14世と15世でした。
彼らの身に着けるファッションやジュエリー、装飾品は、「ア・ラ・フランセーズ」( フランス風ファッション )として、絵画を通しヨーロッパ中の宮廷へ知らされます。
昔は肖像画がファッション誌やお見合い写真の代わりだったのです。
右はルイ15世、美男王。
フランス王の肖像画を見た他国の王様達が大量のレースを身に着け始めましたから、フランス王としては負けられません。
他の貴族や王族が絶対に着けられないようなレースを作るため、フランス独自のレース産業を発展させることに決めました。
そのレースが
「ポワン・ド・フランス」
フランスレースです。
最高の装飾家にデザインを描かせ、最高のフランドルのリネン糸を使い、技術者をイタリアから呼び寄せ、自らが身に着け、瞬く間にフランスレースをヨーロッパ宮廷のトップモードへ押し上げました。
動物の世界では雄の方が美しいものが多く、これは自らの強さを見せつけるためと言われていますが、18世紀までの宮廷ファッションはその通り、男性が最も華やかでした。
マリー・アントワネット王妃のような女性もいましたが、実は男性のお洒落の方が女性よりもずっとお金がかかるのです。
二人のルイ王がファッションにかけた金額はすでに国庫を揺るがしていました。
19世紀に一旦女性に座を譲ったファッションは、現代に18世紀的傾向が少しづつ戻ってきているように思えます。
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