さわやかな5月、フランスの最も美しい季節の始まりです。
パリの街も、カフェのテラスは人で溢れています。
さて今回のパリ便りでは、パリ市庁舎で開かれている「パリ・オートクチュール展」をご紹介します。
閉館中のガリエラ・ファッション美術館の所蔵品を、
数年前から様々な場所で展示公開していますが、
今年はなんとパリの市役所で。。。しかも無料での公開となりました。
↑ 展覧会用に設置された、黒白チェックの床もお洒落♪
1900年ごろから活躍したクチュリエ(ファッションデザイナー)から、
1980年代までの、イヴ・サンローラン、ジバンシー、クリスチャン・ラクロワなど
オートクチュールを作ったデザイナーの作品がガラスの中に陳列してあります。
硬質なガラスの中に、まるでジュエリーの様に並べられたドレス、
どれも全てオートクチュール、つまりフランスのファッションのあらゆる最高技術の集約で、
時間と手間をかけ、手で縫い上げた逸品、そして唯一の品です。
1900年代から80年代まで、
80年間の差が感じられないような、美しい色や形、デザインは見事です。
いかに洋服が立体を基準に作られているか、
布の彫刻といわれる由縁を実感しました。
中にはジャポニズムのドレスもあります。
日本の着物は平面、形はおのずから決まっており、
意匠に凝り、いかに組み合わせの妙を発揮するかが、美しさになっていますね。
一見、正反対の日本の着物とフランスの服・・・
しかし素材やデザイン、技術についてはどちらが、と比べられない位、
双方とも民族の長い歴史と鍛え上げられた美意識のなかで、
類い稀な美しさをたたえていることに、あらためて感じ入りました。
展覧会では、全てを収録したカタログや、
グレーの紙箱に、リボン、中には、ドレスを印刷した薄用紙に包んだ、
こんな麻色の豪華本も出されていました。
いかにもパリらしいセンスのカタログです。
中身をご紹介しますと・・・
こんな感じです。
この豪華本はパリでのみの販売になりますが、
書籍通販のアマゾンJPでは、英語のカタログが購入できるようです。
→ アマゾンのカタログページへ (外部サイトへ移動します)
期間中にパリへお出かけの方へ、お薦めの展覧会です。
= パリ・オートクチュール展 =
期間:2013/3/2~7/6 10h00ー19h00(最終入場17h15まで)
ホテル・ド・ヴィル(パリ市庁舎)
所在地:5.rue de Lobeau 75004 Paris
入場無料 日・祝休み
※ この展覧会は一般的に撮影禁止です。(許可を得て撮影しています)
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今は観光シーズン、
パリも世界各国からの人々でいっぱいです。
フランスは80年代以降、観光立国をめざし、
そのおかげか、今は年間6000万人が訪れるそうです。
フランスの人口が6000万人ですから、
まさに人口が2倍になったような感じです。
その上、ほとんどがパリに集中しますので、
美術館やオペラ座、デパート界隈は歩いている人の80ー90%は外国人です。
いろんな言葉が飛び交って、フランス人は一体何処へ???
と思える位です。
その反動で、真冬の閑散とする時期などはほんとうに静か、、、
平日の午後などは、人一人通らない道があり、パリってこんなに人がいなかったの?とすこし寂しくなってしまいます。
特に、パリ市内は建物を事務所に使う事も多く、本当の住人は少ないもの、
沢山のものが流通し、いろんな選択があるのは観光客の人々のお陰とも言えますね。
日本でいえば京都区内ほどの大きさのパリ、
端から端まで、歩こうと思えば歩ける小さな街です。
でも何度歩いても、何年住んでも、
不思議なのはいつも発見があること、
新しいお店や人との出会いだけではなく、前世紀からあるお店や建物でも、
知らない事が多いのです。
小さな街ですが、歴史や物、人や新しい事がいつもぎゅっと詰まった場所と言えますし、
それはパリの大きな魅力であり、楽しみでもあります。
何度来ても飽き足らない、という人が多いのもうなづけますね。
・------ murmure "ミュウミュウ" とはフランス語で "つぶやき" のこと ------・
マリールイーズからのパリ便り Vol.47 2013.5.4