皆様こんにちは、
パリもすっかり冬空、日中も陽の光は見えず、
エッフェル塔の半分は霧に隠れてしまいました。
さて今回は、「
ベルエポック、パリジェンヌのワードローブを覗く」という展覧会をご紹介します。
会場はパリ4区の「カルバヴァレ美術館」で、
( →カルバヴァレ美術館についてはこちらのページへ♪ )
かつての貴族の館です。
通常展示はフランスの職人仕事のオブジェや、歴史を展示している美術館なのですが、
この秋から来年春まで、
パリ・モードの殿堂、ガリエラ美術館のコレクションの一つを展示することになりました。
テーマは「
あるワードローブの物語」
1900年から1930年代のベルエポック期を中心に生きた、
一人のパリジェンヌのワードローブを集めた展覧会です。
そのパリジェンヌとは?
この女性「
アリスさん」、
アリスさんは、
1912年から23年まで、パリの最も贅沢なクチュール店「
シェリュイ」で一人目の販売員となった女性です。
「シェリュイ」は当時、ポール・ポワレ、ランバン、シャネルと並ぶクチュリエで、
作家プルーストの「失われた時を求めて」の本にも、"
パリで最もシックなクチュリエ " としてその名を残しています。
いにしえの王侯貴族達のワードローブは、絵画や写真で目にする事ができますが、
ブルジョワ階級の装いは以外と知らないもの、、、
そこで、今回に初めて展示されることになりました。
1923年のアリスさん、
販売員といっても、当時のオートクチュリエのお店では、ヨーロッパ中の王侯貴族やアメリカの富豪達が顧客でしたので、
対応する彼女自身も大変エレガント、
この展覧会でも、「一人の良い趣味を持った女性の物語を感じさせるワードローブ」と言っていますし、
時には宮殿まで出かけ、王女の注文を取りながら、話相手になったり、
こんなパーティへ出ることもありました。
しかし、働く女性ですから、
優雅なドレスばかりでなく、
( 中央はランバン、両端はアリスさんが働いていた
シェリュイのデザイン )
街を歩くための、コートやワンピースもあります。
1900年頃のパリ、
オリエンタリズムの帽子に、
ワンピースとコートの揃いも素敵ですね♪
アリスさんには
ジネットちゃんというお嬢さんがいましたから、
子供服も注文していました。
(上の画像はシェリュイ店のマダム・シェリュイとそのお嬢さん、服を誂えているところです。)
今見ても、フランス人形のよう♪
いかにもべル・エポック的なドレスに、
金銀糸の刺繍やオーストリッチの羽根を使って、
シンプルなカーディガンも、
帽子は今でも素敵です♪
これでジュエリーを着ければ完璧な装いばかり、
毛皮のマフが時代を感じます。
1900年のパリでは、王女様は別にして女性達はどんどん外へでて、
カフェやサロンで楽しく過ごしていました。
少年のセーラーカラーや、女給さんの衣装も可愛いですね♪
デザインや色合いは、今見ても新鮮ですね。
この展覧会のカタログです。
仕掛けがあり、
中央から扉のように開くとカタログが出てくる仕組みで、
しかも、上の画像の赤い花丸ワンピースの型紙の付録つきでした。
女性はみなスィーツ好き・・・も古今東西変わりません♪♪♪
当時のシックなパリジェンヌのスタイルを、真近に見ることができる展覧会でした。
期間中にパリへお越しのことがありましたら、是非足を運んでみて下さい。
「あるワードローブの物語」
2013年10月17日〜2014年3月16日
会場:
カルナヴァレ美術館
23, rue de Sevigne 75003 Paris
火〜日 10h00~18h00 月・祝日休
入館料8ユーロ
* カルナヴァレ美術館内は通常撮影可、企画展は特別許可をいただいています。
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おかげさまで、「マリールイーズからのパリ便り」は今回をもちまして50号を配信することとなりました。
今年1年、ご覧下さいまして誠にありがとうございました。
これからも100号に届くよう、楽しんでいただけるパリ便りをお届けしていきたいと思います。
どうぞご愛読くださいますようよろしくお願い申し上げます。
さて、今回ご紹介のカルナヴァレ美術館のあるパリ4区は、
マレ地区という17〜18世紀の建物が沢山ある、パリでは古い場所になります。
「マレ」というのはフランス語で「沼地」のことで、
昔、このあたりは沼地だったことからこの名がつきました。
今でも湿気が多めで、、、雨が降ると水はけが悪く、ぬかるみやすい場所です。
200〜300年という長い時間が経ってしまった建物と、湿気のせいで長らく敬遠されていた場所でしたが、
1960年代から見直され、
建物は外観も中もきれいにし、カルナヴァレ美術館をはじめ、ピカソ美術館、ヨーロッパ写真美術館など、多くの修復が行われました。
ヴォージュ広場など王侯貴族の館があったところですから、もともとの美しい建物がより魅力的になり、
そのおかげで(せいで?)、今ではパリで最も高価なアパルトマンのある地区で
どの道も観光客と素敵なブティックでにぎわっています。
その上、昔は迫害され湿気の多い地区に住まわされたために、マレ地区には昔からのユダヤ人街があります。
そこでは、「ファラフェルサンド」というサンドイッチや、油で揚げたユダヤ独特のお菓子やパン、惣菜のお店が軒を並べ、日曜日でも開いている所が多いのも特徴です。
ファラフェルサンドは、ピタパンというインドのナンに似た平たいパンへ、
ひよこ豆をすりつぶしたペーストへコリアンダーやパセリなど香辛料を入れ、コロッケのように揚げたファラフェルと、ピクルス、トマトをはさみ、胡麻ソースやオリーブオイルとニンニクと檸檬に胡麻を混ぜたソースをかけたもので、
お味は胡麻が香ばしく、ボリュームがあるのでランチにぴったり、どのお店もいつも行列ができています。
ファラフェルは、アラブのお料理にもでてきますので、ミントティーとも良く合います。
マレ地区を訪れたら、ぜひファラフェルサンドも味わってみて下さい。
・------ murmure "ミュウミュウ" とはフランス語で "つぶやき" のこと ------・
マリールイーズからのパリ便り 50号 2013.12.3