エッフェル塔を遠くに望んで・・・8月の終わり。
青空に夏の名のこりを残しながら秋はもうすぐのパリ。
パリジェンヌ達もバカンスから戻り、日焼けしたブロンズ肌を見せています。
今回はパリのクリュニー美術館とパリ北部のルネサンス美術館で共同開催された展覧会
「 〜 ボーテ 〜 古代からルネサンスまで 」 をご紹介します。
「 ボーテ 」とはフランス語で「 美 」のこと。
化粧品や香水、髪型、道具・・・いにしえのヨーロッパの貴婦人達の化粧部屋が開かれました。
金の輪を身に着けた黒いヴィーナス、右は紀元前の古代ローマ、金のケースに入っている練りガラスの香水瓶です。
香料は大変貴重かつ高価なもので、ごく一部の人々だけのものでした。
下方は16世紀、フランス王アンリ2世の王妃カトリーヌ・ド・メディシスの香水瓶です。
ロイヤルブルーガラスの中央に百合の紋章が見えますね。 高さが19cmもあります。
ルネサンス時代の髪型。。。長い髪を編んで結い上げるのが流行っていました。
これは古代ローマ時代のヘアークリップ、ハイキャラットゴールド製でバネのようになっています。
今でもこんなのがあれば素敵ですね♪
ルネサンス時代の植物や鉱物から採られた髪染め粉で、一番の人気色はブロンド。
ふつう、南ヨーロッパの女性でブロンドはありえません。
当時、北欧からやってきたバイキングの人たちは野蛮ながらも天然のブロンド、白い肌。
その容姿の美しさは南ヨーロッパの人々の憧れで理想でした。
褐色の髪を脱色し染め粉で色を付けていましたから、想像してみてください、大変な作業ですね。
中世の髪型、これも長い髪を複雑に編み込んでいます。
中世の化粧道具入れです。 銀の箱にガラス瓶や櫛が入っています。
貴婦人の入浴時には、お付きの人がこんな箱を携えてお世話をしていました。
中世と古代の鏡です。 鏡は凸面、 銀製のほうには「レダと白鳥」が彫られています。
貴婦人の入浴では、楽士がいて花びらの鉢や宝石箱を持った女官がいます。
当時、入浴は薄いリネンの衣を着けたままでした。
絵の女性は16世紀最高の美女といわれた「ディアーヌ・ド・ポワティエ」、親子2代に渡るフランス王の寵姫でした。
歴史上の美しい寵姫は数知れず、そんな中でディアーヌは50代でも衰えを知らない輝くような美しさ、抜群のセンスと頭の良さを持っていました。
美しさだけでは飽きますが、美と知をあわせ持つ稀有の美女はアンリ2世王の妃カトリーヌ・ド・メディシスを長い間苦しめました。
また、スコットランドのメアリー女王もフランス滞在時にディアーヌの影響を大きく受けています。
メアリー女王のセンスの良さはディアーヌ譲り、それがイギリスのエリザベス1世女王の嫉妬の的になったのです。
ディアーヌは彫刻や絵画のモデルとして今にその美しさを残しています。
ルネサンス期のメイクアップボックスです。
女官によって美の仕上げをされる貴婦人、優雅な時代ですねc
この展覧会の会場のルネサンス美術館はパリから北へ電車で30分ほどのエクアン城内にあります。 ( 内部 / 暖炉の部屋 )
フランスルネサンス様式の城は16世紀半ばに建てられ、フランス革命によって一時は見捨てられながらも、1962年にアンドレ・マルロー文化相によりルネサンス美術館として復活しました。
数は多くはありませんが、素晴らしいルネサンスのオブジェやジュエリーが展示されており、今後ご紹介していきますのでお楽しみに♪
* エクアン城 ルネサンス美術館
web site
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数百年にわたり、美の基準は大きく変化しています。
国によっても様々・・・インターナショナルな現代はどうなのでしょうか?
基準なんてもうないのかもしれません・・・そんな今、かえっていにしえの女性達のゆかしさが新鮮に見えました。
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マリールイーズからのパリ便り Vol.12 2009.8.28
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