5月のパリ、これから1年で最も美しい季節を迎えます。
セーヌ川に浮かぶノートルダム寺院、これは後ろ側ですがこの寺院は後ろも美しいもの。
岸には「ブキニスト」と呼ぶ古本屋台、昔のポストカードやモード誌などところ狭しと並べた店主は道のベンチでシギャレットをふかして・・・
先週までのパリはずいぶん冷えて軽めのコートが手放せませんでしたが、今日は晴れ、緑の木々に惹かれ久しぶりの休日に散歩に出かけました。
その時に見つけた密やかなティーサロン(カフェ?)をご紹介します。
17世紀のアパルトマンの1階、木造の扉の小さなお店が見えてきました。
古いステンドグラスに惹かれて中へ、陰と光りにあふれてゆったりとした時が流れていて・・・
薄いペールグリーンや菫色、ミモザのような黄色のステンドグラスの窓から外の光が注ぎ、
天井の焦げ茶色の梁と、象牙色の漆喰とマホガニーの壁、電灯がふんわりと光を放っていました。
サーヴァーはベトナム人の若い女性、黒のTシャツにロングスカート、同じく黒のタブリエの紐をキュッと締め、帰る客には必ず、美味しかったですか? 良い時間を過ごせましたか? と優しく聞いているのが素敵でした。
春らしいフリージアが飾られて・・・明るい花なのになぜかフランドル派の絵画のように静かな雰囲気です。
私の座ったすぐ横はれんが造りの暖炉になっていて、冬は火を焚くそう。
20人も入れば一杯の小さなサロン、暖炉の火が誰もに暖かさをもたらしてくれそうです。
メニューはカフェと紅茶、イギリス風のロイヤルミルクティーも、そして「ガトゥ・ド・メゾン」、ここ特製のお菓子です
私は「トゥッティ・フルッティ・ルージュ」という赤い果物ばかりのタルトとアール・グレイティーを美味しく頂きました。
長く暮らしていてもまだまだ知らないところが一杯のパリ、これだからパリ散歩は止められません。
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5月に入ったというのに先週は平均10度のパリ、気持ちは春なのにいつまでたっても冬服からぬけだせていませんでした。
もうそろそろかとしまっては出し、出してはしまうセーターやコート。
それでも少しでも春らしさをだそうと、白いシャツの衿をのぞかせたり、レースのストールを使ったり、綺麗な色のニットを着たり。
街を歩く女性も千差万別、工夫のお洒落を横目でちらりとアイデアをいただいたりします。
でもやっと今日は青空のとても良いお天気、日中は20度を超えそうです。
日本は一番過ごしやすい頃ですね。
食べ物も美味しく・・・どうぞ皆さま、お元気で素晴らしい季節をお過ごしください。
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マリールイーズからのパリ便り Vol.26 2010.5.21