夏、冷たい美しさを放つアヴァンギャルドの美。。。今回は、1区にあるパリ装飾美術館での展覧会をご紹介します。
ルーブル美術館の並びにあるパリ装飾美術館には、ヨーロッパの装飾デザインに関する全てが集められています。
ジュエリーを始め、ファッション、テキスタイル、家具、プリント、食器・・・中世から現代にいたるまでの常設展示があり、季節毎に展覧会が開かれ、世界中からデザイナーやアーティスト、研究者達が訪れます。
今、開催されているのは「アール・デコとアヴァンギャルド ジュエリー」展。
20年代後期から40年代にかけて、「モダンの世紀」と言われた一つの時代のアーティスティックなジュエラーの作品展です。
入り口には眠そうなガードマンが。。。大切な作品をしっかり守らないといけませんが・・・
入ってすぐ、目に飛び込んできたのは宇宙的デザインのリング。
1920−40年代、フランスは世界のモダンデザインのトップを切っていました。
パリジェンヌが身に着けたのは、機能的でシンプルなファッションに大ぶりのジュエリー。
ショートカット、車の運転、煙草を片手に・・・というのが当時のパリジェンヌです。
メイクやファッション、今見ても古さを感じない素敵さですね。
プラチナにアゲートやラピスラズリ、ダイヤモンドやクリスタルを組みあわせた斬新なデザイン。
30年代に活躍した建築家「ル・コルビジェ」に代表されるデザインに比する作品、これはブローチ。
こちらはシガレットケース。
銀や金製のシガレットケースは、エマイユでデザインが施されています。
大胆で幾何学的なデザインは、すっきりとした大人の茶目っ気を感じさせますね。
冷たく光るプラチナとダイヤモンドのジュエリー。
当時の女優のポートレート、 ヘッドドレスが天体のような宇宙のような不思議なイメージです。
アフリカのプリミティフ・アートからも大きく影響を受けていました。
こちらはアフリカン・デザインをプラチナで創り上げた作品です。
研ぎ澄まされたラインの美、とでもいいましょうか・・・その存在感にははっと息を呑むほどです。
こちらもシガレットケース、色合いがシックですね。
アフリカンアートから触発された作品、ブローチとネックレスです。 ブローチは高さが約10cm近くあります。
パリで活躍した当時の写真家「マン・レイ」や、彫刻家「ブランクーシ」を彷彿とさせます。
シガレットケースの伝統的なエマイユ技法を用いたモダンデザインには、どこか東洋的な静けさも感じられますし、どんなスタイルであろうと「 一流の美 」は、いつの時代にも新鮮ですね。
70歳を過ぎたらこんな「 モダン・ジュエリー 」を着けこなせる女性になりたい、と思いました。
それが優しさであり魅力でもあるのですが、年を取るとどうしても輪郭がぼやけがち。。。
おばあさま世代のパリジェンヌの美意識を垣間見ると、構築的なラインと冷たい輝きのジュエリーは重ねた年齢を引き立て、さらに素敵に見せることを教えてくれました。
*「パリ装飾美術館」
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パリはすっかり夏休みモード。
学校もお休み、パリジェンヌやパリジャンはバカンスへ・・・少しづつ、街は眠くなるような静けさに包まれていくのが日毎に感じられます。
楽しみは美味しい果物がたくさん出回ることと長い昼を楽しむことでしょうか。
みなさまも素敵な夏を過ごされますように。。。
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マリールイーズからのパリ便り Vol.10 2009.7.24
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