前回のパリ便りVol.18にも書きましたが、フランスでは元旦よりも12月25日のノエルを大切にします。
仕事をしている人も12月の半ばから1−2週間ほどのノエルの休暇を取り、ファミリーの集まる地元へ帰ったり、友人達と旅行に出かけたりします。
短いですが、夏のバカンスに続いて冬のバカンスといった感じです。
ノエルの日、キリストが生まれるずっと前の太古の時代にも、今とは少し暦が違っていますが「冬至の日」として大切にされた日でした。
一年で一番昼が短いこの日を境に、万物の命がよみがえる復活祭に向けて少しづつ陽の照る時間が長くなって行きます。
つまり「新しい命が始まる日」を象徴しているそうです。
そしてサンタクロースが聖クローチェだった時代、今のような赤い服は着ていず、緑のモミの木をまとった姿だったそう。
だれもが思い浮かべる赤い服は、実はアメリカのコカコーラ社が始めたとか・・・
1月1日は新年、この日はフランスも祝日です。
「ボナネ、ボナネ」あけましておめでとう、とビズをし合いますが、ノエルほどの盛大な行事はなく普通の祝日のように過ぎていきます。
そして2日から平常通りになにもかもが動いていきます。
1月1日をあらための日として様々な行事をおこなう日本人にはちょっと物足りないのですが・・・
在30年を越す友人は、パリでは松や竹は手に入りにくいので、モミの木を松に見たて赤い実の枝や金箔紙をあしらってお正月風の飾りをして少しでも正月気分をだそうと思って、と話していました。
モミの木も松も、常緑樹であることから永遠の命を表す聖なる木として飾られ祈りをささげる対象です。
ヨーロッパと日本、文化や歴史は違っていても、自然を敬う心は同じなのだなあと思います。